奇跡の価値は~新世紀エヴァンゲリオンより③
突発的に始まる
おてんとうの、ちょっと変わったアニメ、漫画、映画談義
前回からの続き
新世紀エヴァンゲリオンの第拾弐話:奇跡の価値は
のシーンを紹介していきます。
奇跡の価値は
「ほんとにバカね。」
成功が困難な作戦へ向かうシンジ、アスカ、レイの3人。
生還できるかも分からない状況で、3人で交わされる会話。
シンジはアスカに「エヴァに乗る理由」を尋ねる。
アスカは「自分の才能を世の中に示すため」と答える。
同じ質問を受けたシンジは「分からない」と答えると、
「あんた、バカぁ?」と、いつもの強い口調でアスカが応じる。
それに対してシンジは、静かに「そうかもしれない」と、物憂げな表情を浮かべる。
それを見たアスカは、いつもと違って、力なく、「ほんとにバカね。」と答えた。
ここも印象的なシーンです。
生還の可能性の低い作戦へ向かう3人が、もしかしたら最後になるかもしれない会話。
そこで、シンジが気になるのは、やはり「エヴァにのる理由」なんですね。
実際に、とてもツライ仕事をしていると、ふと、疑問に思うことがあると思います。
「なぜ、こんなしんどいことをしてるのだろう。」
「なぜ、こんな嫌な思いをしてまで、仕事しないといけないのだろう。」
そう思うとき、ありますよね。
シンジのように、その意義を見いだせずに、仕事に向かうことって、
かなり苦痛ですよね。
そうして、かなり弱ったシンジを見て、
いつも勝気なアスカでさえ、どう声をかけていいか分からないくらい、
力なく応じているんです。
自分の働く意義を見つけるのは、非常に難しいけれど、
意義が無いと、日々の仕事が本当に苦痛になるのが、よく分かります。
「そう、逃げちゃだめだ。」
不安を抱えながらも、エヴァに乗り込むシンジ。
ミサトが戦う理由を聞かされたシンジは、自分の役割を再確認し、
静かに決意を固めて、「そう、逃げちゃだめだ」と心の中で言う。
シンジの有名なセリフの「逃げちゃだめだ」ですが、
ここの「逃げちゃだめだ」は、他のものにない、強い決意が入っています。
子供の悲鳴のように唱える「逃げちゃだめだ」ではなく、
自分がやらなければ死ぬという状況をしっかり理解して、
自分がする覚悟を決めた男の一言、「逃げちゃだめだ」なんです。
嫌な仕事ってありますよね。
やる前は本当に嫌で、どうにか逃げれないか、
別の人にならなるように回避できないかと考えますが、
もう、どうしようもなくなって、自分がすることになる。
私なら、その場面でも、「嫌だ!逃げたい!」という気持ちになりそうですが、
シンジは、しっかり覚悟を決めて、かっこいいです。
実際、嫌な仕事から逃げられなくなった場面で、覚悟を決めるときに、
このシーンを思い出します。
まだ長くなりそうですね。
次回へ続きます。