奇跡の価値は~新世紀エヴァンゲリオンより②
突発的に始まる
おてんとうの、ちょっと変わったアニメ、漫画、映画談義
ということで、前回からの続きで、
新世紀エヴァンゲリオンの第拾弐話:奇跡の価値は
のシーンを紹介していきます。
奇跡の価値は
「でも、それがここにいる目的じゃないから」
シンジの同級生が企画した、ミサトの昇進を祝うホームパーティでのシーン。
同級生たちはワイワイ楽しそうに話しているが、その輪の中に入れないシンジ。
ミサトは、それに気づいて「まだだめなの?こういうの。」と声を掛ける。
「いえ、ただ苦手なんです。人が多いのって。なんで、わざわざ大騒ぎしなくちゃならないんだろう。」とシンジ。
その後、シンジはミサトの昇進に言及するが、
ミサトがそこまで喜んでいないことに気が付き、理由を尋ねる。
それに対し、ミサトは「全然嬉しくないってことはないのよ。少しは(嬉しい気持ちが)あるわ。でも、それがここにいる目的じゃないから」と答える。
このシーンもいろいろ考えます。
まず、シンジの気持ち。
シンジみたいに極端ではないにしても、
確かに、行くのが嫌な飲み会って無いですか?
職場の歓送迎会だったり、世話になっている上司からの誘いだったり、
別にむちゃくちゃ楽しい会ではない上に、ほとんど義務のような飲み会。
私は大人なので、
相手に話を合わせて笑ったり、
何か話題を見つけて話を広げたり、
いろいろしてしまいますが、シンジの気持ちは痛いほど分かります。
次にミサトのセリフ。
普通にかっこいいと思います。
普段仕事をしていると、上司に怒られないように、誉められるように、
仕事をしてしまいがちじゃないですか?
もちろん、怒られるより、誉められる仕事をするべきです。
だけど、そればかりに囚われて、大事なことを見失っていることがあります。
自分が本当にしたいこと。大きな目標。夢。
そういった遠い目標を、日々意識しながら過ごすことは、とても難しいと思う。
でも、ミサトは、それが出来ていて、かっこいいなと思うわけです。
「奇跡ってのは、起こしてこそ初めて価値が出るものよ」
シンジ、アスカ、レイの3人に対峙して、作戦を伝えるミサト。
上空から飛来する難敵の使徒に対して、
ミサトの出した作戦は、
エヴァンゲリオンで落下点まで走って行って、受け止める
という無謀なものだった。
あまりに現実味のない、困難な作戦。人工知能が出した勝算は0.00001%であった。
矢継ぎ早に質問する3人に対応するミサト。
そこでシンジは勝算について尋ねるが、
ミサトは「神のみぞ知る、と言ったところかしら」と、はぐらかす。
アスカは呆れ気味に、「これでうまくいったら、まさに奇跡ね」と言う。
これに対して、やや強い口調で
「奇跡ってのは、起こしてこそ初めて価値が出るものよ」とミサトは答える。
この拾弐話のタイトルにもなっているシーン。
本当に、実現困難な課題が目の前にあって、
心が折れそうになるときに思い出します。
ミサトだけが大人であり上司という立場。
成功率が低いと知っているにもかかわらず、
引っ張っていく人が、強い口調で、
なおかつ穏やかな、何か成功を確信しているかのような顔で、
こんなセリフを言われると、なんだって出来そうな気がします。
「きっと出来る!」と思わせてくれる上司って、素敵ですよね。
私にとっては、勇気をもらえるシーンですね。
まだ長くなりそうなので、
次回へ続きます。